神経のない歯の寿命について
神経のない歯は、一度治療しても膿みが再発することがあります。
治療を繰り返すごとに根管治療の成功率は下がり、歯も薄くなり割れやすくなっていきます。
そして最終的には「抜くしか方法がない」ということにもなりかねません。
何度も通院して、期間をかけて治した歯が抜歯となるとショックですよね。
そのような時、条件が合えば矯正治療で解決することもあります。
神経のない歯を抜いて矯正治療を行ったケースの例
年齢:20代前半男性
主訴:神経を抜いた歯が膿んで何度も治療している。このままでは歯がなくなるのではないかと不安になっている。他の治療した歯も二次虫歯になっている。自分の歯をこれ以上悪くしたくない。
いくつもの歯科を受診されたものの、納得いく治療が受けられず悩んでおられた中、たまたま当院を見つけて来院されたという経緯がありました。
まず1本1本の歯の状態、将来的展望を精査し、神経の温存ができる可能性の高い歯の二次虫歯治療を行いました。
(二次虫歯とは→一度治療した歯に虫歯が再発すること)
その後、実質欠損(健全な歯の部分が少なくなっていること)が大きい上顎左右の大臼歯を抜歯し、前歯も含めた全体的な咬合状態の改善を目的に矯正治療を行いました。
矯正の治療期間:1年5ヶ月
矯正の方法:ラビアルブラケット矯正(TAD/アンカースクリュー使用)
矯正の総費用:約99万円(税込)
リスク:歯根吸収、口内炎など
親知らずを生かした矯正治療
このケースのポイントは親知らずです。
親知らずは現代人においてはスペースがなく横向きに埋まっていることも多く、他の歯に悪影響回避のため、抜歯の対象になることが多い歯です。そんな親知らずですが、今回のように親知らず以外の歯が悪くなった時に利用できることもあります。
とはいえ向きや大きさによっては難しいこともあります。
今回も下顎に関しては親知らずを抜歯しました。
歯列矯正でできること まとめ
歯科治療における最終的な目標は「長期安定性」だと思っています。
今回のように若い方の場合、これから先の人生で歯のトラブルが少ない環境を作ることが最優先です。
長期安定性を達成するために重要なのは、まずは人工物ではなく天然の歯であること、そして噛み合わせのバランスが整っていることです。
やみか歯科・矯正歯科 院長 山口美華

