虫歯の治療

Treatment for Tooth Decay

当院の虫歯治療は、健全な部分をなるべく削らないようマイクロスコープ下で行います。

※)資料の写真はすべて院長の担当、施術症例です。実際の治療では個人差があります。

虫歯の治療について

虫歯になったら早めの治療が必要ということは皆さん知っておられることでしょう。
ただ、この「早め」というのはどのくらい早めなのでしょう?
一秒一刻を争うべきなのでしょうか?
検診に来られた人に虫歯が見つかってお伝えすると「今日、治してほしい」と言われる場合があります。
しかし、私はそれはおすすめしていません。
理由は急いで治すことよりも、治し方を優先するべきだからです。
歯科医院側が時間の取れない中で急いで治すと、どうしてもクオリティが下がってしまいます。
すると、結局何年かしてまた詰めたところの辺縁から虫歯になり、だんだん自分の健康な歯の部分が少なくなってしまいます。


典型的な日本人のお口の中の変化

年齢が上がるとともに銀色の部分が増え、60代では奥歯を失っています

見出しセンタリング

典型的な日本人のお口の中の変化(20代、40代、60代)

年齢によるお口の中の状態を見ると、年齢と共に金属の詰め物が増えていくことが分かります。
これは、詰め物が永久的にもたないことが理由です。
そして一度治した所を再び治すと、最初の詰め物よりも大きくなります。
治療を繰り返しているうちに、徐々に天然の歯の部分が少なくなり、最後は抜歯に至るということです。

そこで、この欄では、歯を長持ちさせる虫歯治療のポイントをお伝えします。

虫歯を治す時は「治し方」が最優先!
特にその歯を初めて治療する時は、より慎重に治すことをお勧めします。

初期の虫歯(Co シーオー)と言われたら?

虫歯の初期の状態を Co(シーオー)

虫歯の初期の状態を Co(シーオー)といいます。

 ・歯の表面の白斑
 ・歯の溝の黒や茶色の着色

Coは条件がそろうと「再石灰化」により、それ以上虫歯が進行しません。

Coの状態であれば、削らず経過観察が基本です。

Co を進行させないために必要な条件

  • ✔︎丁寧に歯みがきをして汚れをしっかり取る
  • ✔︎フッ素配合歯磨き粉の利用やフッ素洗口をする
  • ✔︎キシリトール配合やリン酸カルシウム配合のガムを咬む
  • ✔︎ダラダラ食べなどの食生活習慣を見直す
  • ✔︎定期的に歯科医院で進行していないかのチェックをする

集団健診はあくまでもスクリーニングです。
集団健診でCoと言われたら安心せずに、歯科医院で精密な検査を受けましょう。
また、見た目はCoでもレントゲンを撮ると中で広がった虫歯になっていることもありますので、定期的にレントゲン検査を受けることも重要です。

集団健診で虫歯はないと言われたが虫歯が見つかったケース

13歳の男の子のお口の中の写真

左の写真は13歳の男の子のお口の中の写真です。
パッと見たところ虫歯はなさそうです。
学校の歯科健診でも虫歯はないと言われたそうですが、上の前歯の間に4本の虫歯がみつかりました。
やはり、歯科医院での精密検査は重要です。

小さな虫歯のお勧めの治し方は?

比較的小さな虫歯になった場合の治し方でお勧めの方法は「ダイレクトボンディング」です。

金属の詰め物に比べて、削る量が少なく、色も白色で見た目の違和感も少ないです。

以前は年月が経つと変色するのが欠点でしたが、ここ最近は材料の開発が進み、長期的にも安定した材料であることが分かっています。

ダイレクトボンディングとは

歯科用コンポジットレジンの中でも、特に強度があり、
審美性の高いプラスチックを歯に直接つめる方法です。
前歯のすき間の閉鎖や、奥歯の小さな銀の詰め物の置き換えなどに有効な方法です。

ダイレクトボンディング

メリット

  • ✔︎即日処置でいけることが多い
  • ✔︎歯を削る量が最小限でいけることが多い
  • ✔︎セラミックに比べると安価であることが多い

デメリット

  • ✔︎大きな詰め物には適用できない
  • ✔︎セラミックに比べて、長期的にみると着色や変色の可能性がある
  • ✔︎術者の技術力が必要

銀の詰め物の虫歯をダイレクトボンディングで治したケース

見出しセンタリング

銀の詰め物の虫歯をダイレクトボンディングで治したケース

大人の虫歯の原因、二次カリエスとは?

大人の虫歯の原因のほとんどが二次カリエスに関係していると言っても過言ではありません。

二次カリエスとは詰め物や被せ物のすき間から虫歯菌が侵入し、一度治した歯が再度虫歯になることです。

虫歯を治す時には適合のよい詰め物を入れることが、二次カリエスの予防になります。

また神経がない歯の場合、精度の高い根管治療を行なってから詰め物や被せ物を入れることも重要です。

歯を長持ちさせる虫歯治療のポイント1

マイクロスコープ等の拡大視野下での治療

→虫歯の取り残しや健全な部分の削り過ぎを防ぐことができる

マイクロスコープ

歯を長持ちさせる虫歯治療のポイント2

ラバーダムを用いて治療する

→だ液中の細菌が治療中に侵入するのを防ぐ
→詰め物の接着阻害因子となる水分の侵入を防ぐ

ラバーダム

歯を長持ちさせる虫歯治療のポイント3

適合のよい詰め物、被せ物を入れる

→お勧めの素材はジルコニアをはじめとするセラミック系の材質です
→型取り材はシリコーン系で採るのがお勧めです

セラミック系の被せ物

虫歯の治療について述べてきましたが、一番大切なのは虫歯にならないよう、予防することです。
まずは、虫歯予防にしっかり取り組みましょう。